今日、静岡県庁くらし・環境部で開催されたスーパークールビズ「E-COOL STYLE表彰」の最終選考に審査委員として参加させていただきました。
この企画、簡単に申し上げますと、県庁職員のクールビズスタイルファッションショー。県職員がファッションショーとは違和感があるかもしれませんが、クールビズは冷房時の室温28℃でも快適に過ごすことのできるライフスタイル、ということで環境省が力を入れて推進しているもの。まずは県庁内の室温を高く設定することで、温暖化防止を推進しようということです。
確かに、県庁内は冷房がかなり弱め。冷房が嫌いな私でも「暑い・・」と思うくらいでした。これはオジサマ方、いつものネクタイにスーツでは不快な温度ですね。
スーパークールビズ実行委員会の皆様の(あと、静岡県庁オシャレ番長、くらし・環境部長の強力なる 笑)呼びかけもあり、105通もの応募があった中から一次審査を通過した4部門10件のみなさまのコーディネートを、静岡伊勢丹の紳士服マネージャーさん、『静岡時代』編集部の学生さん2人と選考させていただきました。
ところで、オフィスシーンですっかりおなじみの「クールビズ」。スタートしてから今年で10年になるそうです。
昨今静岡県庁のように官民さまざまなところでファッションショーが開催されています。今回審査員としてお招きいただいたのもきっかけで、クールビズが世の中にとってどんな意味を持っているのだろうとだんだん気になり始めまして・・・・・
環境省のホームページをのぞいていたところ、「スーパークールビズ2014 キックオフ・イベント~COOL BIZ 10th~」というイベントでのクリエイティブディレクターの菊池武夫さんが興味深いコメントをしていました。
「クールビスは服のタブーを崩していくことだった。」
確かに、夏にネクタイが非合理的であることは誰もが思っていることなのに、「それでも男性はビジネスではネクタイが必須」という「常識」があり、汗でネクタイにまでしみになろうともみんながネクタイ、ワイシャツ姿。その恰好をしていないと仕事に支障があるとすら思っていました。でも実際なくなってみると何の支障もない。
そう考えると共同体の中で形成される「常識」って必ずしも合理的ではないですね。でも、その共同体に所属する人にとって「常識」ってある意味では「規則」よりも大きな支配力を持っているようにも思います。大人になったら結婚する、家を持つことが幸せなどなどなど。
昨年からは「スーパークールビズ」という言葉も出現。従来のクールビズは、室温28度でも快適に過ごせるように服装を軽装にするという行為を指していましたが、スーパークールビズは勤務時間をシフトさせるなどワークスタイルやライフスタイル自体を変革させ、さらに効果的な節電を目指そうというもの。こうなってくると「行為」というよりは「文化」ですらあります。
クールビズもそうですが、震災以降世の中の多くの「常識」が再定義されています。震災経験後の世の中に新しく生まれる文化や常識は、本当に大事なモノ・コトを基盤にしたものでありたい、そう思います。