先日ふと思い立って、恵比寿ガーデンプレイス内にある東京都写真美術館へ。ここの美術館へはどんな展示をしているか確認せずに行くのですが、いつも裏切られる事がありません。以前こんな記事も書きました。
http://asako.eshizuoka.jp/e723606.html
今回は古い記憶フィルムや写真を素材として、ドキュメンタリーとフィクションとの間を往還しながら、集団や個人における文化的差異がいかに記録され、また人々の記憶に留められてきたかを繊細に問いかける映像作品を発表してきたフィオナ・タンの作品。
「世界が一つのアーカイヴなら、どのイメージを選ぶ?」というテーマでタンが写真や映像がいかに私たちの認識を変えるか、遺されたイメージとどのような関係を結ぶかを、写真収集家やアーティストらに取材するドキュメンタリー。
「写真と絵画の決定的に違うのは、写真には偶然性があるところ、撮影者が全く想定していない状況を切り取れる事。著名な写真家よりも素人の方がはるかに素晴らしい作品を残せる可能性がある。絵画にはその可能性はほぼ無い。」
というある写真収集家の話がとても印象的でした。
2005年に創刊した「womo」は皆様からのご高配を賜り、おかげさまで今年6月に9周年を迎えることができました。その間、情報流通を取り巻く環境や生活者の消費への考え方も大きく変化して参りました。そのような環境変化を受けて、「womo」では利用者の皆様へ提供する価値をリニューアルという形で「再定義」し、静岡に暮らす女性にもっと静岡での暮らしを楽しく過ごしていただくサービスを実現したいと考え、11月号でwomoはリニューアルを予定しております。
womoが改めて「静岡女性の地域での暮らしを心からハッピーにする」を実現する為に、今回の大きな挑戦を成功させるために、womo静岡版の編集長を交代することにいたしました。併せて昨日でwomo編集長を退任、しずおかオンラインを退職し、本日より新しい環境で新しいミッションに取り組む事に致しました。
しずおかオンラインのスタッフとして10年、womo編集長として5年の間、社外のたくさんの方にご指導、応援いただいて来ました。改めて、この場を借りてお礼申し上げたいと思います。
また、会社という「場所」で事業を通して様々なチャンスを仲間との出会いを得る事ができました。
考えてみると、静岡で就職する事になったことから始まり、アルバイトからスタートした会社で、最終的に責任者として事業を担当できたことは、「偶然」との出会いになぜか無条件に喜びを感じてしまう性格と無関係では無かったように感じています。想定外の機会(チャンスばかりではなく)が訪れ、そこに身を投じて驚きを提供するために最善を尽くす。そのことのほうが、自分の想定できる世界にいることよりもきっと面白い、そう思っています。
そして、それは例えば自分が責任者を務めるチームのスタッフにも必ず自分とは違う世界があって、それをどれだけ出し切ってもらうかこそが必要だという私なりのリーダー論とも通じていました。会社は誰かに答えのある何かを教えてもらう場所ではない。事業を通してまだ誰も答えを知らない問題をみつけだし、世の中に貢献するための「場所」であるということをしずおかオンラインで学び、その楽しさに夢中になった10年でした。
「写真と絵画の決定的に違うのは、写真には偶然性があるところ、撮影者が全く想定していない状況を切り取れる事。著名な写真家よりも素人の方がはるかに素晴らしい作品を残せる可能性がある。」
どこかにある理想の自分探しは20代の前半にたくさんしましたが、それを経て気がついた今ここにある環境とそこに訪れる想定外の機会に身を投じられることの面白さ。新しい環境でもそのことに真摯でありたいと思います。
今日、静岡県庁くらし・環境部で開催されたスーパークールビズ「E-COOL STYLE表彰」の最終選考に審査委員として参加させていただきました。
この企画、簡単に申し上げますと、県庁職員のクールビズスタイルファッションショー。県職員がファッションショーとは違和感があるかもしれませんが、クールビズは冷房時の室温28℃でも快適に過ごすことのできるライフスタイル、ということで環境省が力を入れて推進しているもの。まずは県庁内の室温を高く設定することで、温暖化防止を推進しようということです。
確かに、県庁内は冷房がかなり弱め。冷房が嫌いな私でも「暑い・・」と思うくらいでした。これはオジサマ方、いつものネクタイにスーツでは不快な温度ですね。
スーパークールビズ実行委員会の皆様の(あと、静岡県庁オシャレ番長、くらし・環境部長の強力なる 笑)呼びかけもあり、105通もの応募があった中から一次審査を通過した4部門10件のみなさまのコーディネートを、静岡伊勢丹の紳士服マネージャーさん、『静岡時代』編集部の学生さん2人と選考させていただきました。
ところで、オフィスシーンですっかりおなじみの「クールビズ」。スタートしてから今年で10年になるそうです。
昨今静岡県庁のように官民さまざまなところでファッションショーが開催されています。今回審査員としてお招きいただいたのもきっかけで、クールビズが世の中にとってどんな意味を持っているのだろうとだんだん気になり始めまして・・・・・
環境省のホームページをのぞいていたところ、「スーパークールビズ2014 キックオフ・イベント~COOL BIZ 10th~」というイベントでのクリエイティブディレクターの菊池武夫さんが興味深いコメントをしていました。
「クールビスは服のタブーを崩していくことだった。」
確かに、夏にネクタイが非合理的であることは誰もが思っていることなのに、「それでも男性はビジネスではネクタイが必須」という「常識」があり、汗でネクタイにまでしみになろうともみんながネクタイ、ワイシャツ姿。その恰好をしていないと仕事に支障があるとすら思っていました。でも実際なくなってみると何の支障もない。
そう考えると共同体の中で形成される「常識」って必ずしも合理的ではないですね。でも、その共同体に所属する人にとって「常識」ってある意味では「規則」よりも大きな支配力を持っているようにも思います。大人になったら結婚する、家を持つことが幸せなどなどなど。
昨年からは「スーパークールビズ」という言葉も出現。従来のクールビズは、室温28度でも快適に過ごせるように服装を軽装にするという行為を指していましたが、スーパークールビズは勤務時間をシフトさせるなどワークスタイルやライフスタイル自体を変革させ、さらに効果的な節電を目指そうというもの。こうなってくると「行為」というよりは「文化」ですらあります。
クールビズもそうですが、震災以降世の中の多くの「常識」が再定義されています。震災経験後の世の中に新しく生まれる文化や常識は、本当に大事なモノ・コトを基盤にしたものでありたい、そう思います。
womoママネスタッフ河村から噂を聞いて、先週末行ってきました。
チームラボ 学ぶ!未来の遊園地 (静岡ホビースクエア)
http://womo.jp/mama/event/detail/ID/5990
世界で活躍するウルトラテクノロジスト集団「チームラボ」が仕掛ける最新テクノロジーを駆使した映像や光の空間といういわば、「最新のデジタル遊園地」。自分の絵が映像の中を自由に動き回ったり、触れるだけで空間や光を変化させられたり、デジタルが叶えてくれる不思議な世界を体験できます。
行く前は、2歳の息子だとまだ楽しめないかな(もっとお兄ちゃん向けの企画かな)と不安だったのですが、行ってみたらなんと楽しいことか。
その中で、とても面白いな、と思ったことがありました。それは、この未来の遊園地の企画にはどうやって遊ぶかの説明が全くない、ということ。スタッフの方はいらっしゃるのですが、やり方を説明するのではなく見守っているという感じなのです。でもみんなやっている。どうやって遊び方を知るのかな、と思ってみていると、それはとてもシンプルなことで、他の子がやっているのを見てマネして始まり、やっているうちにそこに仕掛けられている何かを「発見」して、それを他の子が見て広まっていく。そのうち、子どもたちなりのルールみたいなものが生まれて、勝手にその瞬間、そこに集っている子どもたちがルールを守ろうとするのです。そして、さらにやっていると私の想像もつかなかった遊び方をしていたりするのです。
ふ~ん! オモシロい!
子どもを観察(笑)していると、本当に勉強になります。これって全く子どもの世界に限らないことで、きっと人間には本質的にそういう、その場に入ったときに、その場所で経験を通していろんなことを発見したり、その中でルールができて、想像できなかったことも生まれて、文化までできる場合もあったり。
会社や、womoのあり方もそういうのが素敵だな、としみじみ思った週末なのでした。